添加物と天然「どっちが安全?」
食品添加物の研究や科学研究全般に関わる研究者の方の多くは、
「自然の食物…天然ものより食品添加物のほうが安全だ」
といいます。
その根拠は様々ですが、「自然の食物には毒があるから」とか「食品添加物は限度量を守れば安全であると科学的に証明されているから」…
また、「食品添加物を含んだ食品より、自然の食物のほうが危険である」と言い切る科学者もいます。
反面、私たち消費者の多くは「自然の食物は安全である」という認識が強いです。
本当に科学者が言う通り、天然食物のほうが危険で食品添加物が安全なのでしょうか?
今回は、「食品添加物を含む食品と自然の食物、どちらが安全なのか?」について検証したいと思います。
決められません!
「食品添加物と自然の食物、どっちが安全?」
これに関してもこれまで私は、かなりの量の情報やデータを調べてきました。
で、そういった情報で食品添加物に賛成派の情報は、
食品添加物の”危険性の1つ”を取り上げて、それに対して、
「自然の食物にも同じような危険性はあるでしょ?」
「だから、食品添加物を否定するのはおかしいでしょ?」
といった感じで反論する場合が多いのです。
食品添加物の危険性は1つではないのに一部分だけを見て、「食品添加物のほうが安全」という言い方がされているわけです。
ですが、確かに自然の食物にも様々な危険性があります。
自然のものが100%安全ということは無いです…
ですから、結論からいいますと、
『どちらも危険性があり、どちらも安全性がある』
ということ。
「どちらか片方が必ず安全である!」と決められないというのが答えです。
自然の食物の危険性①
「自然のものなら安全でしょ?」と思われたかもしれません。
でも、自然の食物にも危険性もあります。
例えば、一番わかりやすいのは「きのこ類」。
自然には毒キノコもたくさん生えてますよね。
毒性を持つキノコの知識が無く、知らずに食べてしまえば死の危険性もあるわけです。
見た目はスーパーの椎茸にそっくりでも、よく見ると別のキノコだったりします。
また、同じような毒性の話しで例を挙げますと「ニラ」。
これはちょっと違うパターンでうがニラに毒性があるのではなく、ニラの葉がスイセンの葉とそっくりで、そのスイセンの葉・花・球根にアルカロイド系とシュウ酸カルシウム系の毒が含まれています。
食べてしまうと悪心、嘔吐、下痢、流涎、発汗、頭痛、昏睡、低体温症などの中毒症状が出ます。
最悪死に至る…
近年、北海道であった事故では60代の男性がニラと間違えて自然に生えていたスイセンの葉を採って料理して食べてしまい、死亡しています。
花が咲いてない場合は、見分けがつきにくいようです…
このように自然の食物は毒を持っていたり、普段食べている野菜が毒を持った自然の植物と似ていて間違って食べてしまう…
自然の食物の危険性の1つということです。
自然の食物の危険性②
スーパーに並ぶ、野菜や果物も人が栽培しているとはいえ、元は自然のものですから「自然の食物」です。
そういったスーパーの野菜・果物なら毒なんて含まれていなはず…
と思いきやそんなことは無いのですね。
天然のキノコと同様、野菜や果物にも毒が含まれています…
自然の植物には天敵がたくさんいて、昆虫に食べられることもありますし、カビ菌などで枯らされたりもします。
ですから、自らを守るために植物自身の中で化学物質を大量に作り出し、それらの天敵を撃退するのですね。
なので、多かれ少なかれ、野菜や果物にも毒が含まれるわけです…
例えば…
トマトには「トマチン(アルカロイド配糖体)」という殺菌作用を持つ毒が含まれていて、
嫌悪感・気だるさ・下痢・嘔吐・腹痛といった症状が出ます。
若いトマトを食べて口内にヒリヒリ感が出たのち、めまいがして立てなかった…といった症状が出た方もいます。
ウリ科の植物…胡瓜、ズッキーニ、カボチャ、スイカなどには「ククルビタシン」というステロイド系の毒があります。
胡瓜を食べた時に微妙に感じる「苦み」。あれがその毒です。
実際「ククルビタシン」で起こった食中毒事故があります…
岡山県のある飲食店で出されたズッキーニの料理を食べた14人の男性が嘔吐・腹痛を訴えました。
原因はズッキーニの「ククルビタシン」。通常のズッキーニより苦みが強かったようです。
有名な毒ですと、じゃが芋の「ソラニン」。これもステロイド系神経毒の一種。
「ソラニン」は芽の部分や黄緑色の部分(皮や実)に含まれていることはご存知だと思います。
だから、下ごしらえの時に芽を取り除くわけですね。
これも食中毒事故が起こったことがあり、ある小学校で栽培したじゃが芋を食べて食中毒が発生したと。
他にもじゃが芋・人参・茄子・レタスの「コーヒー酸」や胡麻の「セサモール」などの毒があります。
自然の食物の危険性③
果物は果実の中に毒があることはほぼありませんが「種」に毒を含む場合があります。
もも・びわ・梅・すもも・さくらんぼ、など「核果(かくか)」と言われる一個の実に1個のタネが含まれる果物の種には「アミグダリン」という毒素が含まれています。
【梅干しの種を食べてはいけない】というのはこれのこと。(発酵した梅(たね)は、ほとんど毒素は薄れていますが…)
正確にはシアン化合物といい、体内に入ると強い毒性を出します。(青酸に変化する)
頭痛・めまい・嘔気、酷い場合は過呼吸、頻脈を合併して発作を起こすこともあります。
ちなみにリンゴは「核果」ではないですが、種にアミグダリンを含みます。
とはいえ、微量です…
野菜・果物の毒の危険性をお伝えしましたが、実の中に毒が含まれている場合、それはごくごく微量…
少し多く食べても問題ない量です。
また、人間は昔からそういった自然の食物を食べて生きてきた中で、毒を素早く代謝・排泄する機能が備わってきたわけです。
大量に食べたりしなければ、食中毒になるようなことはほとんどありません。
そして、野菜や果物の様々な毒は若い実や茎や花の中に多く含み、果実に含むのはほんとに少し。
避けるべきは花や茎、そしてまだ熟してない果実です。
中毒が起こる場合の多くは、青くて熟してない果物を食べた場合で、熟していれば何の心配もありません。
ただ、稀に苦みが強い野菜などはククルビタシンなどが多く含まれている場合があるので、「苦みが強い」と感じたら吐き出して飲み込まないようにして下さい。
人間の味覚はただ美味しさを感じるためだけでなく、そういった毒から身を守るためにも味を感じるようになっているわけですね。
飲み込まなければ、大きな問題にはなりませんから。
また、「種」に関しても「食べない」という理解でOK。
以前に話したと思いますが、植物の「種」全般、酵素阻害剤という毒を含むので。
大きな種はすべて避けるようにすればその他の毒の危険性も回避できます。
(※タネは、寒くても暑くても腐らないのは酵素阻害剤を含むため。種は自分を守っているわけです)
キュウイやイチゴ、キュウリなどの小さいタネは食べても大丈夫。
あんな小さい種を避けることはできませんし…
口の中で違和感を感じる大きさの種は食べないようにして下さい。
食品添加物の長所を答えられますか?
で、「食品添加物」の危険性はというと…
これについては、過去にも話してきましたし、今後も少しづつお伝えしていくので今回は割愛させて頂きますが、
反対に「食品添加物」の安全な部分は何かというと「防腐剤」「保存料」などが含まれていることで、
「腐敗しない」という点ではないかと思います。
腐らないことで安全性があると。
また、腐らない=長持ちするわけで長期保存ができる点は大きなメリットですよね。
今は必要ないけど「保存食のために」という場合に大きな長所となります。
特に災害に備えてストックしておく「保存食」には食品添加物が必ず含まれていますが、災害大国日本では必需品です。
もしもの時の備えに役立っていると…
保存料や防腐剤自体に問題がありますが、それが入った食品から私たちは恩恵を受けているわけです。
しかし、やはり食品添加物を大量に摂取することは避けたほうがいいです。
食品添加物全般、「長期間取り続けた場合」や「組み合わせの危険性」については未だに解明されていないわけで、
確実に安全なものとは言えないです。
研究者の人たちは、あまりその部分について触れることがない…
おそらく彼らは「自分が関わっていることが正しいと思いたい」のではないかと。
誰でもそうですよね。
自分が一生懸命やっていることを否定されたら反論したくなります。
そういった人間心理も理解しつつ、食品添加物を含めた多くの健康情報を知識にして、
【自分で考えて避けるべきものは避けなければならない】のではないでしょうか?
最後に
「食品添加物と自然の食物、どっちが危険でどっちが安全か?」
どちらか片方に決めることはできません。
私は事あるごとに言っていますが、
どんな物事や物…食品・食物でも必ずメリットがあればデメリットがあります。
コインの裏表。
表だけ、裏だけが存在するコインなどありません。
メリットとデメリット必ずセットなのです。
食品添加物でも「保存が利く」というメリットがあれば、摂り過ぎると「アレルギーを発症する」「発がん性がある」というデメリットがセットになっている…
自然の食物でも「栄養豊富で酵素が多く健康に良い物」というメリットの反面、食べるタイミングや食べる部位を間違えたり、大量に食べたりすれば「毒素の餌食になる」「栄養過多になる」というデメリットがもれなく付いてきます。
【自然の物だからといって絶対的に安全ではない】
ある意味、「食品添加物」も「自然の食物」も同等なのかもしれません。
バランスよく避けたり、食べたりする、という柔軟な考えが必要だと思います。
今回のおすすめ酵素料理
今回の酵素料理は、「魚と野菜の組み合わせ」で、
『サバ缶の玉ねぎおろしドレッシング』
前回に引き続き、さばの缶詰と野菜を合わせた料理ですが、今回は「水煮のサバ缶」です。
水煮のサバ缶にすりおろし玉ねぎドレッシングをかけるだけ。
で、玉ねぎドレッシングに使う油はあえてクセの強い「胡麻油」を使い、さばの臭みを抑える工夫をしています。
そして、サバ缶水煮は塩味だけのシンプルな味付けなので、それに合うように野菜のドレッシングを組み合わせて「酵素料理」に仕上げてます。
今回はサバがメインなので、さばの希少な栄養…DHA・EPAの脂肪酸が取れて玉ねぎ・酢から酵素も摂れるという栄養たっぷり一品です。
レシピみて下さい。(画像↓をクリック!)
★『サバ缶の玉ねぎおろしドレッシング』
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