身近に迫る「畜水産物の「抗生物質使用量」が4倍
【「農薬」恐れるべきは野菜より『肉』】の記事で、お伝えした農薬やホルモン剤の懸念…
それら懸念の以外にも肉には「抗生物質の懸念」もあるのですね。
「抗生物質」は肉などの畜産だけでなく、「水産」の養殖でも使用されていて、
これが人間のカラダに悪影響を与えているということ…
さらにその使用量が年々増えており、2011年時点で人間の抗生物質使用量の4倍を超えています。
今回はそんな畜産・水産で使用される「抗生物質」の何が問題なのか?についてお伝えしていきます。
「抗生物質」の使用目的は?
畜産・水産で使用される抗生物質とは何か?人間で例えますと、
「化膿止め」に当たります。
細菌の増殖を止めたり、死滅させるための医薬品ですよね。
細菌の感染や増殖を抑えることで傷の悪化を防止し、完治を早める。
畜水産の動物の場合は様々な菌の影響などで病気になることもありますから、その治療のためと予防のために「抗生物質」を使用するわけです。
基本的には「飼料添加物」として餌に混ぜて食べさせます。
要は抗生物質を使うことで、
病気で販売できなくなる畜水産物や死んでしまう畜水産物を減らし、出荷量を安定的にしているのです。
ここだけ見ると「いいことじゃないか?」となりますが、
やはり何でもメリットがあればデメリットもある。
畜水産物の抗生物質の問題は大きく分けて2つです…
【問題点1】耐性菌の発生
本来「抗生物質」は”病気になった”畜水産物に使用する…
しかし「予防」の目的でも使用されるため、元気な動物にも与えることになり「過剰投与」になる。
するとその抗生物質に耐性を持つバクテリアや細菌があらたに発生…
それらが人間に害をもたらすということ。
もちろん、抗生物質の使用は人間の医薬品と同じように「薬事法」に基づいて承認されていて、
肉・魚それぞれ種類によって使用方法、休薬期間などが厳しく定められています。
とはいえ、健康体の畜水産動物に抗生物質を与えてしまえば「過剰投与」になり、耐性菌や耐性バクテリアを生むわけです。
その菌の多くは、「病原性大腸菌」や「サルモネラ菌」…
「病原性大腸菌」「サルモネラ菌」の食中毒
「病原性大腸菌」や「サルモネラ菌」は食中毒菌であることはご存じだと思います。
まず、病原性大腸菌は「毒素原性大腸菌」とも言われ、様々な大腸菌が存在するなかでO157もそのうちの1つ。
O157は中毒性の強い菌で毎年100人規模の食中毒が発生しています。
腹痛・下痢・血便・発熱などの症状が起こります…
「サルモネラ菌」は、ネズミからの感染が有名ですが、畜産動物からの感染、
ハエ・ゴキブリなどのサルモネラ保菌動物、犬・猫・カメなどの「ペット」からの感染もあります。
吐き気・腹痛・発熱・重症化することも(致死率最大0.5%)。
畜水産の過剰な抗生物質投与によって、耐性を持った「病原性大腸菌」や「サルモネラ菌」が発生し、各肉魚の体内で増殖。
それを人間が食べ、「食中毒が起こる」ということです。
【問題点2】人間の抗生物質も効かなくなる!?
2つ目の問題点のほうが深刻かもしれません…
厚生労働省の食品の安全確保推進研究事業は2015年度 ~ 2017年度の3年間で食品の薬剤(抗生物質)耐性菌状況を調査。
すると国産鶏肉の約70%から耐性菌が検出されたというデータが…
※ちなみに輸入鶏肉の77%からも耐性菌が検出。あくまで「鶏肉」の検査データであり、牛や豚を合わせると全体の平均約50%から耐性菌が見つかっています。
体力や免疫力が落ちた人の体内に入って感染すると抗生物質による治療ができなくなる可能性があるということ。
それだけ多いと中には多くの種類の抗生物質が効かない強い耐性菌が発生し、そこから食中毒が起こった場合に人間の抗生物質(治療で使う)ですら、効かない可能性も出てくると。
このためWHO(世界保健機関)は人間に使う「抗生物質」の畜水産への使用を一切認めていません。
なぜなら、人間に使う抗生物質を畜水産で利用し、その抗生物質の耐性菌が発生して食中毒が起きた時に治療ができなくなってしまうからです。
しかし、自然界は突然変異も当たり前にあること…
上記のデータが示すように畜水産で人間に使う抗生物質の使用を禁止しても、畜水産物の中で人間用の抗生物質にも耐性する菌が突然発生するリスクもある。
その確率もかなり高いということ。
耐性菌による大規模食中毒が発生した場合に治療ができす、大量の死者が出てしまうかもしれないのです。
養殖魚「刺身」の危険性
ここまでの話でお分かりのように、現在も畜産・水産では、生産性向上のため、低価格販売のためにものすごい量の抗生物質が使われています。
鶏肉・豚肉・牛肉、養殖の鯛・ブリなどなど…
抗生物質は飼料に混ぜられ、食べさせている。
そして耐性を持った「病原性大腸菌」「サルモネラ菌」が発生しているという現実。
私たちは抗生物質の問題から常に食中毒のリスクを抱えているわけです。
肉は多くの場合、加熱して食べますから、そのリスクを減らすことができますが、
養殖の魚は「刺身」、生で食べますよね。
この食中毒リスクは気にする必要があると思います。
最後に
いかがでしたか?
養殖だから100%安全、畜産だから100%安全、
そんなことはないのです。
私たちが安さや安定供給を求め過ぎれば、それだけデメリットも発生する。
抗生物質の問題も私たち消費者が作り出しているのではないでしょうか?
これって、みんな安全より”安さ”を求めて自分の首を絞めてますよね。
命より、安さ?
考えてみて欲しいです。
※そもそも、政府が国民を豊かに(経済的に)させないから、そうなるのですが…
結局、国民が政府に声を挙げなければ根本的な解決にならないと思います。
何の反論もせず、「仕方がない」と従っていると豊かさを奪われ、安全を奪われ、命のリスクにさらされます…
やはり、食の問題はみんなの責任でもあるのではないでしょうか…
今回のおすすめ酵素料理
今回のおすすめ酵素レシピは、
『海老とレタスと法連草のオイスターソース炒め』
前回お伝えした「トマトのふんわり玉子炒め」とほぼ同じで、
加熱料理だけれども酵素を失うどころか活性化して食べられる「半炒め物」。
ある意味、これは今までになかった新しい調理法と言えるのかもしれません…
オイスターソースのしっかりとした味付けが、ほうれん草の水っぽさを抑え、エビの甘みを強く感じさせてくれます!
『海老とレタスと法連草のオイスターソース炒め』のレシピは、
画像↓をクリック!
★『海老とレタスと法連草のオイスターソース炒め』
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