「ニセ発酵食品」とは?
発酵食品を食べる目的の1つは「酵素」を摂ることではないかと思います。
もちろん、他の発酵菌などから得られる様々な健康メリットがありますが、発酵食品の大きな価値は、
生野菜や果物と同じように「酵素」が摂れること。
ですが、スーパーでみんなが買って食べている多くの発酵食品は発酵が止まっている...
「発酵が止まっている」=「酵素が生きていない」ということ。
漬物、キムチ、納豆、甘酒、塩麹、酢、しょう油、ヨーグルト、チーズなど、
それらは本来、「生きた酵素」を含む食品なのに「死んだ酵素」が入っているわけです。
結論から申し上げるとそれは「加熱されているから」…
(※他にも理由があるのですが、今後改めて詳しくお伝えします。)
この件は、『病気を回避する酵素食』の健康情報の時にお渡しした、
「半々和食の健康献立講座」の中でも少し触れていますが、
今回、もう少し詳しくお伝えしたいと思います。
【加熱処理された発酵食品は発酵していない…酵素を失っている…】
これを知っておけば「本物の発酵食品」を選ぶ基準が分かるようになり、健康のための「酵素がしっかり摂れる発酵食品」を選ぶことが出来るようになります。
実際、私もこれを学んだことで、今ままで食べていた発酵食品が「ニセ発酵食品」であったことに気付けましたし、
本物の「発酵食品」を選んで食べることが出来るようになりました。
加熱すると全て死滅する!?
「酵素は熱に弱い」ということは、すでに覚えて頂いていると思います。
で、基本的に加工食品は殺菌のため加熱処理を行いますが、これ発酵食品でも当てはまる…
「それなら加熱処理された発酵食品」には全く酵素が無いのか?
というと実はそうでもないのです…
酵素は、加熱温度が大体50℃を超えた当たりから「変性」します。
変性とは簡単にいうと酵素としての役割を果たせない状態になる…ということ。
ちなみに酵素がもっとも活発になる温度が50℃より手前の35℃~40℃くらい。
要は人間の体温くらいが一番酵素の働きが良くなるわけです。
で、酵素は「加熱温度」と「どのくらいの時間加熱していたか?」で失う酵素の量が変わります。
とにかく加熱すれば「全部死滅、役立たず…」という単純なことではないのですね。
では、ロンドンのサウスバンク大学の酵素研究のデータから作ったグラフを見ながら、
酵素が「何℃」で「どのくらいの時間」で活性を失うのか?
を見ていきましょう...
加熱による酵素の活性率
以下のグラフが、加熱温度と時間によってどのくらい酵素の活性率が変わるかを表したものです。
左軸が活性率(%)で、MAX100%が酵素が全部生きている…活性している状態です。数値が下がるほど酵素の活性が弱まっている…わかりやすく言うと死んでいる酵素が多い状態です。
50℃、55℃、60℃、65℃、70℃という「5段階の温度」で実験しています。
※この実験では、おおよそ加熱に弱いと言われる種類の「酵素」を使っています。
いかがでしょう?
70℃の実験の場合(青い線)、たった10分で完全に0%。全滅しているわけです。
逆に70℃より低い温度になるほど活性が残ってますよね。
なので、この70℃という温度が酵素の生死の境目といえるのではないでしょうか?
また、長く加熱するほど活性が低下していますから、時間も活性率低下と比例してます。
このグラフからも「みそ汁を作る時の味噌を入れるタイミング」は、汁が70℃以下の温度でなければ、味噌の酵素がたくさん死んじゃいますよ、というのがよくわかると思います。
あと、これは私の板前の経験から気付いたことですが、
夏場に「肉の冷しゃぶサラダ」を作る時、肉は50℃のお湯で茹でます。
沸騰したお湯、100℃の熱湯ですと肉が硬くなって色も完全に白くなりますが、50℃で茹でた場合はやわらかく仕上がり、少~し肉の赤色が残って美味しそうに見えるのですね。(これ、板前のマル秘技。肉の鮮度が良いことが条件)
で、グラフをみると50℃の実験なら活性率が80~90%、「酵素は結構生きたままなんだ」と思ったわけです。(肉も生なら酵素を含みます)
60℃くらいまでなら長時間の加熱でも多くの酵素の活性が残るということ。
今流行りの「低温調理」で作った料理なら、たくさん酵素が残せそうですね。
ですが、
肝心の市販の加熱処理された発酵食品はどうなのか?…
加工食品の加熱処理
厚労省の「食品一般の製造、加工及び調理基準」では、基本的に加工食品は「63℃で30分の加熱しなければならない」と義務付けられています。
ただ、これは肉類や乳製品、卵などに対する基準なので「発酵食品」にそのまま当てはまるのか?、ちょっと分からないです。(調査中ですが、なかなか見つからない)
仮に発酵食品全般、「63℃で30分」の加熱処理がされているとして、上のグラフから考えると25~30%くらいは酵素の活性が残る計算…
なので、加熱処理された発酵食品でも全ての酵素が失われているわけではないということです。
と言ってもマイナスに考えれば、70%~75%も酵素が死んでしまっているわけですから、
それは、本来の「酵素が摂れる発酵食品」ではないともいえますよね。
高温でも死なない「耐熱性酵素」の存在
上のグラフの数値は一般的な熱に弱い酵素での実験…
なので、稀に酵素の中でも、かなりの高温でも活性したままの酵素もあるのですね。
例えば、DNA分子やRNA分子を組み立てる際に使われる「ポリメラーゼ」という酵素は、85℃で60分加熱しても80%の活性を保っていますし、
よく耳にする大根などに多く含む、炭水化物分解酵素の「アミラーゼ」は80℃でも活性が強いままです。
また、細かい話をすると高温で活性を失っても、そこから温度が下がれば活性が復活するような忍耐力のある酵素も存在するので、
一概に「酵素は熱に弱い」とも言い切れないのですね。
こういった酵素を「耐熱性酵素」というのですが、この酵素がどんな食品に入っているとかまで憶えようとすると大変なので、
大雑把に「熱に強い酵素もいるんだ」と知っておけばいいと思います。
知識の1つとして知っておくだけでも「酵素は全部熱に弱い!死滅する!」みたいな極端な情報に騙されずに済みます。
最後に
冒頭の話に戻りますが、発酵食品の価値は「酵素がたくさん摂れること」…
ですから、発酵食品を食べるなら100%活性している酵素が摂れるほうがいいですよね。
なので、例えば、スーパーの甘酒、塩麹、酢、しょう油、ヨーグルト、チーズなどは加熱処理されている場合がほとんど…
なので、ネット販売で見つかる「非加熱」の発酵食品を食べて頂きたいです。
また、漬物、キムチなどは加熱処理はしてないですが、加熱殺菌のい代用として添加物が使われています。
その影響で発酵が止まって酵素がほとんど生きてない場合があります。
こういった漬け物系の発酵食品もネット検索で探せば必ず「本物」が出てきますから「無添加 漬物」「無添加 キムチ」で検索してみて下さい。
で、発酵食品は「精製加工」によって、発酵が止まっている場合もあります。
これについては、またあらためてお伝えいたします。
今回のおすすめ酵素料理
今回の発酵&野菜料理は、「紫蘇のふりかけ」を使った、めちゃ簡単な一品!
『大根の紫蘇和え』
大根を食べやすいサイズに切って塩もみし、「紫蘇のふりかけ」と「粉カツオ節」をふって混ぜるだけ。
大根は加熱しませんから、酵素たっぷり!
紫蘇の風味と大根とマッチして、大根のコリコリ食感もたまらんです。
ただ…スーパーの「紫蘇のふりかけ」は、添加物が入っているタイプが多いですので、
できれば無添加タイプを使って頂きたい…
おすすめの「無添加 紫蘇ふりかけ」は、
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なにより「あと一品欲しい!」って時にパパっとすぐに作れますので、
レシピみておいて下さい。
(画像をクリック↓!でレシピページへ)
『大根の紫蘇和え』
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