【唯一の「酵素」を含む伝統「カツオ節」】
今回はの発酵&野菜料理は、
「ピーマンと平茸のおひたし」…
ピーマンと平茸を食べやすいサイズに切って、トースターでパパっと焼いて「浸しだし」に一晩漬けるだけ。
簡単にできるあっさり味の一品です。
ピーマンは旬でいうと6~7月ですが、年中流通している食材ですから副菜になる料理も知っておくと献立作りに役立つと思います。
ピーマンといえば何となく脇役的な食材のイメージがあるので、今回の料理のようにたまには主役で使ってあげてもいいのではないでしょうか。
また、きのこ類も年中ありますから、「平茸」でなくても「しめじ」「椎茸」「舞茸」「エリンギ」とキノコを使えば、味や見栄えの印象も変わって新たな一品としてレパートリーが増えます。
栄養もそれぞれ違いますしね。
で、この料理のデメリット…
完全に加熱料理で酵素が摂れない料理。
でも、飾りや隠し味などに加える食材に「酵素」が含まれていれば、ちゃんと「発酵食料理」になると思います。
その食材とは、「カツオ節」。
実はカツオ節は発酵食品なのです、ただし…全部のカツオ節は当てはまらないのです。
「本枯節(ほんかれぶし)」というカツオ節をご存知でしょうか?
カツオ節には「本枯節」と「荒節」がありまして、
どちらも【煮熟(しゃじく)(煮る工程)】⇒【数回の燻製】までの工程は同じなのですが、
「本枯節」は燻製後、表面を削って「カビ付け(カビ菌を吹き付ける)」します。
カビと言っても毒を出さない「優良カビ」で「ユーロティウム」というカビ菌。
和名でいうと「カワキコウジカビ」とか「カツオブシコウジカビ」です。
大量の酵素を出し、たんぱく質・でんぷんを分解するので、清酒やしょう油や味噌に使用されてます。
こういった優良カビを事前に作ってあって、それを吹き付けるのですね。
そして、湿度の高い部屋で発酵させ、カビを繁殖させる…
ある程度カビが繁殖したら天日干し。これを何度か繰り返し熟成させます。
2回繰り返したものが「枯節」で、3回以上が繰り返し水分がほぼなくなって、カビ菌が繁殖しない状態になったら、
「本枯節」となります。3~5ヶ月…半年かかることも。
非常に手間と時間がかかるので高値が付くと。
カビ付けする理由は、カビがカツオ節の水分を栄養源として吸収することで、天日干し以上に乾燥が進み、腐敗しにくくなる…
だから、「本枯節」はすごく硬い。叩くと「カチン!」という音がします。
さらにカビ菌はカツオ節に含む脂肪分を分解し、脂肪の含有量が減って荒節より、臭みの少ない透き通った、旨味がすごく強くなったカツオ節になるのですね。
ですから、本枯節で出汁を取ると非常に上品な旨味の澄んだ出汁が取れます。
要するに「本枯節」はカビ付けされることで発酵食品に変貌するわけです。
カツオ節の種類の中でも発酵しているのは、唯一「本枯節」だけ。
なので、「ピーマンと平茸のおひたし」は、加熱料理ですが、
これを加えてあげればれっきとした「発酵食料理」になる。
もちろん味的にも風味的にも上品で旨味の濃厚なおひたしに変化します。
こういった発酵食品も使い方次第で加熱料理であっても「発酵健康食」の1つにアレンジすることが出来ますね。
で、本枯節は「丸ごと節」で買うと5000円~1万円とかしますけど、
「削り節」なら少量なので、もっとリーズナブルな値段で手に入りますし、ちょっとづつ使えば一回分の値段も安くつくと思います。
私のおすすめはこの「本枯節」です。
枕崎のカツオ節は有名ですからね。
(詳しい内容は画像をクリックして下さい)
★レシピ
【材料】(4~5人前)(作り置き)
ピーマン…中5コ(180g)
平茸…1/2P(100g)
カツオ節…軽くひと握り(できれば本枯節のカツオ節)
酒・塩…少量
【浸しだし】
水…150cc
みりん…大さじ1杯(15cc)
淡口しょう油…大さじ1杯(15cc)
粉カツオ節…小さじ2杯
★この料理のポイント!(動画)
★おすすめ!枕埼産の「本枯節」
「本枯節のカツオ節」は、通常のかつお節よりちょっと値が上がりますが、
他のカツオ節には無い唯一の「酵素を含んだ発酵食品である」
という価値を考えれば、それに見合った値段と言えるのではないでしょうか。
また、日本の伝統的な食品の1つであり、文化の1つでもありますから、
私たちがそういったものを買わなければ、その「貴重な伝統・文化が失われていく…」ということもちょっと考えて頂きたい。
といっても高額で絶対に買えないような値段でもないので、たまには「日本の伝統食材」を使って料理を高級に仕上げてもいいのではないでしょうか。
「栄養価も上がる!」ことも考えれば一石二鳥、いや一石五鳥くらいの価値はあると思います。
枕埼の「本枯節」は、特におすすめです!
(画像をクリックして下さい)
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