「生ものは消化に悪い」の間違い

生食と加熱食の正しい知識

私の健康の考え方の基盤としている「酵素栄養学」…

今回の話は、その中で伝えられる「健康的な食事法」に繋がる、非常に重要な話です。

おそらく多くの方が幼少の頃から、

「生ものは消化に悪い」

と聞かされてきました。

それは、何かを生もので食べた時にお腹を下しり、もどしてしまったりという経験からそういう知識が受け継がれてきた。

でも、「生ものは消化に悪い」というのは「確実にそうだ」とは言えないのですね。

再三お伝えしている通り、物や物事には必ずメリットとデメリット、両方が存在します。

デメリットだけを見て、「駄目なもの」と決めつけてメリットの大事な部分を見失っていることだってある。

このイメージと言いますか、偏った認識のために「生ものは消化に悪い物」として世間に定着し、

生食が敬遠されていることが、みんなの不健康・病気の多さに繋がっているように思えてなりません。

今回は、「生食」と「加熱食」それぞれのメリット・デメリットを詳しくお伝えしますので、消化に良い物・悪い物を正しく理解して頂きたい。

世間の「生ものは消化に悪い」という偏ったイメージ・情報を払拭して、「生もののすばらしさ」もしっかりマスターして欲しいと思います。

加熱食、最大のデメリット

これは、何度もお伝えしましたし、大事なことなので今後も伝えていくのですが、

加熱食の最大のデメリットは、加熱によって「酵素が失われている」ということ。

※加熱と酵素の関係については、
こちら↓

加熱温度と加熱時間によってその存在率は変わりますが、消化に不可欠な「酵素」を失っていることは加熱食最大の欠点と言えます。

この”デメリットだけで考える”と加熱食は「消化に悪い物」になるわけです。

また、加熱による損失は、酵素だけでなくビタミンB1、ビタミンC、パントテン酸などのビタミン類も多く失うこと。

本来、食物に存在する人間が生きていく上で必要な様々な栄養を減少させてしまうと。

さらには…

これも以前お伝えしてますが、加熱の中でも「高温加熱の問題」。

「焼く」「揚げる」「炒める」「圧力加熱」で高温加熱(約100℃以上)された食材では細胞内で「糖化」が起こり、AGE(終末糖化産物)を発生させます。

これを摂取し続けると老化が促進されたり、AGEの血管蓄積が限界を超えると心筋梗塞や脳梗塞といった様々な重篤な病気を発症します。

AGEは目や骨にも蓄積しますから、白内障・骨粗しょう症といった病気の強い懸念もあります。

加熱食のデメリットを【現代人の多くが知らない】ということも加熱食のデメリットの1つになるのではないでしょうか…

神が犯した大罪…

加熱食のデメリットに関連したこんな神話があります…

ギリシャ神話に出てくる「プロメテウス」という神。

彼はあることを人間に教えてしまったために最大の神「ゼウス」から拷問をうけました。

ゼウス:「プロメテウス!お前は、人間界に対し最大の過ちを犯したのだ!」と激怒したわけです。

プロメテウスが人間に教えたこと、それは…

「火を使うこと」。要は加熱調理を教えてしまったと。

人間界では突如、多くの病気や伝染病が発生して「なぜだ!」と神たちは調べて行たわけです。

すると、プロメテウスの大罪が明らかになったと。

神話の中で「病気の根本原因が酵素不足であったかどうか」を明確に分かっていたかは不明ですが、

プロメテウスが教えてしまった加熱食が原因で人間界は病気を抱えて生きて行くことになった…

そういう神話があるのですね。

加熱食のメリット「○○だから消化に良い!」

そんな加熱食にもメリットはちゃんとあります。

まず、神話の続きでいいますと、人間は火を使う方法を教えてもらったおかげで、

「生で食べられないものが食べられる」
「日持ちさせることができる」

そうなったことは、メリットだと思います。

それに関してもう少し詳しくお伝えしますと、加熱によって「食中毒菌を死滅できる」。

悪い菌の増殖を止め、腐敗を抑え、食中毒を防ぐことが出来るわけです。

これは高温になるほど多くの悪い菌の殺菌が可能に。

「高温加熱」は糖化のデメリットがある反面、殺菌力が上がる点はメリットになりますね。(高温や超低温にも強い耐性がある菌もいます)

加工食品は加熱されていることで、腐敗菌が増殖することなく長期保存ができるわけです。

そういう「殺菌効果」あるから、通常、雑菌が多く生では食べられないような食物(内臓肉など)でも加熱することで食べられますよね。

それから加熱は、そのままでは食べにくい「硬い食材」を”やわらかくすることが出来る”。

お米、豆、芋類など、加熱でやわらかくすることで美味しく食べられると…

あと、加熱食の最大のメリットと温かいまま食べるものであれば、体を温めることが出来ますよね。

人間は体温が1℃下がるだけで、免疫力が30%低下し、体内酵素の働きが50%も下がり、代謝が12%下がる…

代謝が悪くなる=体の回復が出来なくなる、ですからね。

さらに言えばガン細胞は35℃くらいの低体温を好むので、体温を下げることはデメリットばかり。

(ちなみにガン細胞の死滅温度は39.3℃。そして、体温が35.5℃以下になるとアレルギーが出やすくなったり、排泄機能の低下など非常に病気のリスクを高めます。36.5~37.0℃なら体内酵素も活性化するので病気のリスクを下げます。理想は37.0℃)

加熱食(冷めた加工食品以外)は体温を高めてくれますから、大きな長所。

こういったことが「加熱食」のメリットですね。

生食のデメリット「自然の食物が抱える宿命」

では、生食はどうなのか?

まず、生食のデメリット。これは大きく分けて3つ。

「菌による腐敗」「体を冷やす」「食物繊維の消化負担」

1つ目のデメリットは、加熱食と反対で「食中毒菌が繁殖しやすい」=「腐敗が早い」

生食と言ってもいろいろありまし、どんな生ものにも菌は付いてますが、特に肉・魚はそれに当てはまります。

肉・魚を食べる時というのは、多くの場合その食材は死んでますから生のまま常温でほっておけば、中毒菌が増える。

それで腐敗が進む…冷蔵保存状態でも食材に菌は存在します…鮮度が落ちるほど殺菌しなければ食べられませんよね。

で、野菜や果物。これは基本的には生きてます。すぐに中毒菌がふえることは稀です。

ですが、皮を剥いたり、切ってしまえば、中身を守るバリアが無くなるので早く腐敗します。

切ると断面から酸化が進む、そういった原因から腐敗は早まる。

例えば、オレンジは分厚い皮で覆われていますから、中の実は守られているのですぐに腐らないわけですよね。

でも、皮を剥いたり、切ったりすれば中身を防御してくれるものが無くなるわけです。

そして、野菜・果物には元々様々な菌が付いていますから、その中で悪い菌が増殖すれば早く腐敗に至ります。

果物は種類によってはある程度、発酵が進んだ後に腐敗という工程を踏む。(野菜は塩や砂糖をふって腐敗菌の増殖を抑え、常温に置けば発酵できます)

葉野菜などは、皮で覆われてないので保存状態によっては腐敗も早いです。

という感じで、生ものは菌が増殖したりなど、日持ちしない…腐敗が早いという点が大きなデメリットですね。

そして、これも大きなデメリットになるかもしれません。

2つのデメリット「生ものは体を冷やす」

例えば野菜・果物は体を冷やすと言いますよね。

では、なぜ野菜・果物は体を冷やすのか?

野菜、果物には利尿作用があるカリウムを多く含みます。その作用で尿が排出される際に体の熱も同時に奪うわけです。

それで「野菜・果物は食べるとカラダが冷える」と言われていると。

ただ、これは一時的なこと…体を冷やし続けるわけではないです。

温かい物と合わせて食べたり、食後に体を温めるようなことをすれば、何の問題もないということ。

3つ目のデメリットは「食物繊維の消化負担」

肉や魚の食物繊維はゼロなのですが、野菜・果物には食物繊維が多く、基本的に消化されないもの。

ですから、野菜・果物は消化の際にある程度、負担があります。

この負担を抑える方法は「よく噛む」「すり潰す」「ジュースにする」です。

で、消化は「食物繊維」という栄養素の状態になるまでの消化過程がある。

通常野菜・果物は切った状態で食べますから、固形のままですと細かく栄養素の状態になるまでにも「分解」がありますよね。

そこでの消化の負担もありますから、普通の食事の際はよく噛むか、すりおろすことで消化負担を減らすことができます。

で、ジュース…「スムージー」ならすりおろした状態と同じなので、分解の消化負担は軽減できますね。

そして、ジューサーで水分だけにしたジュースなら、食物繊維の状態になるまでの消化負担は、ほぼ0に近いです。

ただ、水分だけのジュースにすると他の栄養は摂れますが、食物繊維がゼロ、摂取できなくなるので、このあと話す生食のメリットが得られなくなります…

生食のデメリット「菌による腐敗」「体を冷やす」「食物繊維の消化負担」をお伝えしましたが、

特に「腐敗」は、ある意味自然の食物が抱える宿命とも言えると思います。

人間でも動物でも同じで死ねば腐りますから…

自然の食物は生であり、そういう食物として受け入れて対処するしかないのではないでしょうか。

生食のメリット

では、生食のメリット。

これはもう、いうまでもありませんが、「酵素が摂れる」

人間の消化・代謝に不可欠な栄養ですから、最高のメリットです。

加熱食からはほぼ摂れない、自然の物…生の状態でしか摂ることが出来ないものですからね。

本当に貴重です。

これだけで十分、加熱食のメリットを全てねじ伏せるほどの「最強の長所を持っている」といえるような気がします。

生ものの「酵素」は、食べた食べ物自信を分解するので消化負担が減りますし、他の食物の消化も助けますから、全体的な消化負担を軽減してくれます。

ほんとこれだけで十分だと思うのですが、これも大きなメリット…

加熱食のデメリットの反対になる「栄養が失われていない」

生のままですから、炭水化物・たんぱく質・ビタミン・ミネラル・食物せんい・ファイトケミカル…

そして「酵素」、すべて栄養が漏れることなく摂ることができます。

それは肉・魚・野菜・果物、共通して…

そして、「生食」には加熱食では絶対に感じることのできない自然の美味しさ・食感がある。

特に野菜果物は、シャキッとした食感、水分たっぷりの瑞々しさ、体が欲する甘み、酸っぱいけれど元気が出る酸味、人間が作り出せない自然な旨味など。

これは、「加熱食には無いもの」。

当たり前のことなのかもしれませんが、現在人はその素晴らしいメリットを忘れ、

「食べ物は栄養を摂る物」という本質が薄れ、

「ただ美味しい」「楽したい」が先行して、加工食品ばかり食べているわけです…

「人間は”生”を食べて生きてきた」

自然健康・治癒学博士 松田麻美子先生が多くの著書の中でおっしゃっていること…

人間は、大昔から草食でもなく、肉食でもなく、雑食でもない、

「果食である」と。

果物、木の実を主食にしてきたわけです。

で、チンパンジーって人間に近いって聞いたことがありますよね。

遺伝子的にも95%~99%同じなんだそうです。

そのチンパンジーの主食は「バナナ」、果物です。

彼らはそういった「果食」で自然の中で生きていて、ガンや糖尿病を患うことなど一切ありません。

そして、猫や犬でも本来自然では生食。

ペットで飼う犬・猫にドックフードやキャットフードなど加熱食を食べさせるから病気になると言われています。

動物だって消化には「酵素」が不可決ですから、それが摂れないとなれば「病気」になってと当然…

人間が病気にさせているとも言えますよね。(私も猫飼ってますが、できるだけ刺身も食べさせます)

とにかく、人間も自然の物、生の果物を何万年もの間食べて生きてきた。

洞窟に焚火の化石が見つかるなど、肉などを焼いて食べていたという証拠も確かにありますが、

魚や肉を現代のように安定して食べることはできません。

大波が押し寄せる嵐の日に魚を獲るなど「死ね!」と言っているのと一緒。

そんな時は魚は獲れない…

獣の狩りだって毎回確実ではない。肉食のライオンやトラでも反撃にあって死ぬことがあるのですから。

「作物」も基本的には冬は育ちませんから、そんなにたくさん作れなかったのではないでしょうか?(自然薯とか食べていたもしれませんが…)

そういったことを考えても人間はそもそも「果食動物である」と言えると思います。

そんな”自然の生の果物”を何万年も主食にしてきたのですから、そこから得られる瑞々しさ・自然の甘み・酸味・旨味を、

人間は「美味しい」感じて当然ではないでしょうか?

そういう物が体に必要だから、美味しく感じるようになったのだと思います。

おそらく、原始人が「加工食品」を食べたら、不味くて吐き出すのではなでしょうか…

「生食」&「加熱食」メリット・デメリットまとめ

まとめに入ります。

いろいろ話してきましたが、生食も加熱食もメリット・デメリットがあって、

「生食は消化に悪い」というのは偏った認識であると。

以下の表に生食・加熱食のメリットとデメリットをまとめて見ました…

  酵素
(消化がいい)
食物繊維
(消化に悪い)
中毒菌
(中毒・腐敗)
生食「野菜・果物」
生食「肉・魚」
加熱食「果物・野菜」
加熱食「肉・魚」

食物繊維は栄養面ではメリットになりますが、この表では消化負担についてのメリットとデメリットを記載しています。

かなりザックリとした表ですが、これに加えて「食物の分解度合い」でも消化の良し悪しが変わってきます。

食べる時に固形のままなのか?細かくすりおろしてあるのか?それによって胃の消化負担が変化します。

ですから、

食物の状態…固形なのか、細かいのかで「生食」「加熱食」どちらにも消化負担は考えられるわけです。

食べる前から細かくてやわらかい食物は消化に良く、固形の物は「生食」「加熱食」関係なく胃に負担がかかるということ。

で、「酵素」のあるなしで考えれば、「生食」は「消化に良い物」となり、酵素が存在しない加熱食が「消化に悪い物」となります。

食物繊維の多さで言えば、野菜・果物なのか?肉・魚なのか?で「生食」「加熱食」どちらでも消化に良かったり悪かったりがあると。

そして、食中毒のリスクでいうと「生食」は菌が生きていますから、中毒菌が繁殖すれば食中毒になります。

「加熱食」なら殺菌されているので安心です。

ごちゃ混ぜになっている「消化に良い物・悪い物」

結局、「生食が消化に悪い」わけではなく、食中毒のリスクはあるけど、

そもそもは「酵素」が存在する分、「生食」は”消化に良い物”になるわけです。

あとは食べる時に固形なのか?やわらかくて細かいものなのか?とその食事に食物繊維をどれだけ含むのか?の問題。

で、「加熱食」は、殺菌されているので、食中毒のリスクはほぼ無し。

やわらかく細かい物で食物繊維が少なければ「消化に良い物」になりますが、

固形&食物繊維が多い食べ物という同じ条件で「生食」と比較した場合は、酵素を含む分「生食」のほうが「消化に良い物」になります。

消化の良し悪しは、食べ物の前提でも変わってくるってことですね。

例えば、

加熱食がすりおろし野菜入り「おもゆ」で、生食が「野菜&フルーツスムージー」なら条件がほぼ同じなので、「スムージー」のほうが酵素がある分「消化に良い物」となります。

「おもゆ」と「根菜のスティックサラダ」を比較したなら、分解の消化負担がスティックサラダのほうにあるので、「おもゆ」のほうが胃での負担は少ない。

ですが、酵素が無いので最終的な負担は「おもゆ」のほうにあると思います。

余計ややこしいですね。

とにかく、基本的には酵素を含む「生食」のほうが「加熱食」より消化が良い物になります。

あとは食べる前の前提の問題と中毒の心配が有るか無いか。

「生食は消化に悪い」というのは極端な認識です。

多くの方が食中毒と消化(分解)がごちゃ混ぜになっているわけですね。

最後に

いかがでしたでしょう?

生食が全て消化に悪いわけではないということ。

固形なのか?細かいのか?前提でも変わってくるのです。

胃の調子が悪く、「消化に負担をかけたくない」、「消化に良い物を食べたい」という時は、

すりおろし野菜やジューサーで作った水分だけの果物ジュースなどがベストってことです。

「スムージー」でもいいです。

加熱食は基本的に酵素が無い分、最終的な消化・分解が弱いと考えて良いと思います。

で、肉魚の生食は中毒のリスクが高いということ。

そもそも、人間は「野菜・果物」という生食を食べるような体になっているのです。

それを無視して、加熱食が多くなれば体がおかしくなって当然と言えます。

酵素栄養学はここを強く推進していますし、現に食生活改善で生食を多くし、体を温めることで、あらゆる病気が治っています。

ガンも例外ではありません。

「半々和食」でもお伝えしましたが、あらためて「生食」について考えて頂き、特に野菜・果物を食生活の中に増やしてみて欲しいです。

3ヶ月もすれば体調が変わってくることに気付くはずです。

で、果物に関してはちょっと特殊なので、食べ方を気を付ける必要があります。

これはあらためてお伝えします。

今回のおすすめ酵素料理

この料理も食物繊維的にはちょっと消化負担ですが、「生」であり、酵素たっぷりなので最終的には消化に良い料理!

ということで、それが今回のおすすめ酵素料理、
『貝割れ大根と玉スラの花カツオかけ』

貝割れ大根と玉ねぎスライスにかつお節かけるだけ…
醤油をかけて食べる超~簡単な一品です。

簡単でちょっと手抜きな料理ですが、実は食べだすと癖になる…

作って下さった多くの方からは「これ、なんだか癖になります!」という感想も頂いてます。

誰でもできる「癖になる」レシピみて下さい。
(画像↓をクリック!)

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