【油①】「植物油と動物油の違いと健康面の注意点」

【油の摂り方、結論から言ってしまうと…】

今回は、油についてお伝えしようと思いますが、この油もいろいろと問題がある。

今回だけではすべての問題を伝えきれないので、少しづつお伝えしていきます。

そもそもの話をすると、油は液体の状態で自然界に存在しないです…

「液体の油」というだけで不自然な食べ物。

例えば「胡麻油」。胡麻が原料ですよね。

生胡麻を焙煎して圧搾(あっさく)で液体にし、最後にエグミや青臭さなど取り除くため精製(脱色・脱臭)します。

人間が加工したものであり、元は胡麻の「実」。

他のビタミンやミネラル、食物繊維やたんぱく質などがバランスよく含まれた中に50%を占める脂質が存在する。

その脂質が「油」で、胡麻から抜き出した液体ですよね。

その他の栄養分を失った、自然には無いものです…

胡麻を食べる動物がいたとして(調べたけど分かりませんでした)、中の油だけ取り出して食べたりしませんよね。

ですので、油の摂取について結論を言ってしまうと、

加工された液体の「油」ではなく、油分を含む「実」をそのまま食べるのが自然な食べ方でカラダにも良いわけです。(胡麻を含め、お米などもタネ系の食品は加熱が必須、酵素阻害剤を含むため)

といっても実のままですと消化に幾分負担がありますし、

それを言っちゃ、炒め物も揚げ物もできなくなって「食べるものが無くなるわ!」となっちゃうので、

油の中でもどんな油を選択すれば「安全」なのか?など様々なテーマを挙げてお伝えしていきます。

ということで、今回は、

「植物油と動物油の違いと注意点」をお話します。

油と言えば「脂肪酸」…

これは、健康志向の方ならご存じの方が多いと思いますので端的にお伝えしますが、

脂肪酸の種類によって、摂り過ぎるとカラダに害なるものがあるわけですね。

もちろんメリットもある…

まず大きく分けて『飽和脂肪酸』『不飽和脂肪酸』

『飽和脂肪酸』は主に動物に含まれる脂肪酸で、融点が高いので常温以下で固体になる。

ですから、体内に入ると血液中で凝固しやすく血液の粘度を高めてしまうというデメリットがあります。

『飽和脂肪酸』は、体内で合成が可能な脂肪酸なので、必須の栄養素では無いです。

現代人はこの脂肪酸を摂り過ぎていて、それで様々な病気を発症しているとも言われています。

みんな大好き「オメガ」

それから、『不飽和脂肪酸』

おそらく、みなさんのご理解ではこの脂肪酸が多い油が健康的な油という認識でいらっしゃると思います。

「オメガ脂肪酸」というやつです。

『不飽和脂肪酸』は、2つに分かれて、

・【一価不飽和脂肪酸】
・【多価不飽和脂肪酸】

となってます。

で、さらに【一価不飽和脂肪酸】は『n-3系脂肪酸』という脂肪酸でして、

ぞくにいう「オメガ3」です。

この『n-3系脂肪酸』の中にみんなが神的な存在として崇めている(?)「アルファリノレン酸」、「DHA(ドコサヘキサエン酸)」、「EPA(エイコサペンタエン酸)」が含まれています。

その神的な効果が、「脳の活性作用」「免疫力の強化」「凝血作用」「炎症などのカラダの過剰反応を低下させる」「コレステロール軽減」などですね。

ちなみに『n-3系脂肪酸(オメガ3)』は酸化しやすいので加熱調理の使用は向いて無いです。

サラダなどにそのままかけるのが正解。

そもそも「油は生物」ですから酸化しやすく、本来は腐って当たり前。

スーパーで常温で陳列されていることが不自然なくらいです。(スーパーに並んでいる油はほとんど加熱処理されているので常温&長期保存が可能)

生のままで摂るほうが基本的にはカラダに良いです。

そして、このオメガ3は体内で作り出せないので「必須の脂肪酸」

意識的に摂るようにしたほうが良い脂肪酸です。

「オメガ6」も必須脂肪酸

そして【多価不飽和脂肪酸】には『n-6系脂肪酸(オメガ6)』『n-9系脂肪酸(オメガ9)』がありまして、

全部特徴を説明すると長くなるので大体まとめると…

『n-6系脂肪酸(オメガ6)』の種類は、リノール酸、ガンマリノレン酸、アラキドン酸。

・「リノール酸」…血中コレステロール値を下げる効果(過剰摂取摂はかえってコレステロールを増やす)
・「ガンマリノレン酸」…アレルギーの改善効果、血圧安定、生理痛の軽減効果
・「アラキドン酸」…幼児の成長に欠かせない必須脂肪酸。免疫機能の調整効果学習力や記憶力を向上する効果

このような効果から、かなり重要な「脂肪酸」だと感じて頂けるはずです。

「オメガ9」も結構重要

【多価不飽和脂肪酸】のもう1つの脂肪酸が『n-9系脂肪酸(オメガ9)』

「オレイン酸」「エルカ酸」「エイコセン酸」「ネルボン酸」「ミード酸」の5種類を含み、みんながよく聞くのが「オレイン酸」。

ここでは「オレイン酸」の効果だけ挙げておきます。

「オレイン酸」は、血液の悪玉コレステロールを減らし、動脈硬化のリスクを軽減する効果があります。

あとオレイン酸の特徴として酸化しにくいので、加熱調理向き。

酸化しにくいことでガンなどの原因となる「過酸化脂質」の生成を抑制します。

オメガ9もカラダでかなり重要な役目をするので、意識的に摂ることをおすすめします。

植物油に多い脂肪酸は?

ここまで油に含まれる「脂肪酸」についてお伝えしましたが、かなり端折ってお伝えしていることをご了承下さい。

ホントは「オレイン酸」だけでも1記事かけるほど、脂肪酸というのは奥が深いです…

もし「今日はオレイン酸について話します!」なんてぺースでやってると、1年間「油の話」だけで終わっちゃいます(笑)

他の大事なことが伝えられないので、脂肪酸についてはある程度まとめてお話ししました。

で、多くの方が「植物性の油を摂ることが大事」という理解でいると思います。

それは間違いないので、安心して下さい。

その植物性の油について、種類とそれらに含むのはどんな脂肪酸か?を少しお伝えします。

「植物油」は名前の通り、植物の脂質を抽出・精製した油脂・油です。

常温で液体の状態のものを植物油、固体化したものは植物脂と分類することもありますが、まとめて「植物油」。

代表的な原料はヤシ、大豆、菜種など。他にも胡麻、米、オリーブ、アマニとかもそうですよね。

で、種類と含む脂肪酸…

全部挙げると長くなるので、家庭でよく使いそうな植物油をピックアップします。

「キャノーラ油」…菜種油の一種で、オレイン酸が多い。
「胡麻油」…リノール酸が多い。
「オリーブ油」…オレイン酸を多く含む。
「アマニ油」…アルファリノレン酸が多い。

最近は「米油」を使っている方も増えてますが、米油はオレイン酸が多いです。

ちなみに「サラダ油」はいろんな原料から摘出した植物油を混合した油ですけど、これもオレイン酸が多い。

で、植物油の中で珍しく常温で固体化するのが「ココナッツ油」「カカオ油(バター)」「アーモンド」など。

なので、それらは飽和脂肪酸が圧倒的に多いです。

動物油の危険性

動物油はいうまでもなく、常温で固体化するので「飽和脂肪酸」の塊り。

ラード(豚の脂)、ヘット(牛脂)、バター(牛乳)が代表で、その「飽和脂肪酸」が多いことが問題。

マーガリンなども含めると日常的に摂る量が多くなる。(※マーガリンの問題についてはまた別のテーマでお伝えします)

コンビニやスーパーの惣菜パン、菓子パンなどにはパン生地にマーガリンが入っていることも多いですから。(食パンにも)

そうすると先にも言いましたが、血液濃度が上昇…血流が悪くなる。

過剰摂取が続けば、冷え性・むくみ・関節痛を発症…それではおさまらず、認知症、脳梗塞に繋がることもあります。

「飽和脂肪酸」の摂り過ぎは、かなり病気のリスクを高めるということです。

どの油にもいろんな脂肪酸を含む

先ほど「この油にはこの脂肪酸が多い」という話をしましたが、

それぞれの油にオレイン酸だけとかリノール酸だけ、飽和脂肪酸だけを含んでいるわけではないのですね。

どの油にもオレイン酸、リノレン酸、リノール酸、飽和脂肪酸など全部含んでいて、含んでいる割合が違うわけです。

しかも、その割合の差がほとんどない場合もある。オレイン酸よりちょっとだけリノール酸の割合が多い…とか。

例えば「胡麻油」なら飽和脂肪酸14.8%、オレイン酸38.9%、リノール酸43.7%、その他2.6%。

という感じでオレイン酸とリノール酸に大きな差はないわけです。

それぞれ、ちょっと突出した脂肪酸があったり、オリーブ油みたいにオレイン酸だけが70%超えているような油もあります。

それぞれの脂肪酸の割合を詳しく知りたい場合は、

⇒こちら

のサイトを参考にして下さい。

こだわっても現実は難しい…

油に詳しい方は知っていると思いますが、脂肪酸を摂るベストな割合というのがあって、

それが2 : 1(オメガ3 : オメガ6)

と言ってもこれ大変。

どの油にどの脂肪酸がどれだけ含んでいて、どの程度の量まで摂れば問題ないのか?

といった細かいことを普段の食事作りの中で考えるなんて、なかなか出来ないですよね。

どの油にもオレイン酸、リノレン酸、リノール酸、飽和脂肪酸を含んでいるわけですから、

例えば、胡麻油みたいにある程度平均的に脂肪酸を含む油を使えばいいと思うのです。

「米油」もオレイン酸、リノール酸を同じくらい含んでます。

要するに「オメガ!オメガ!」とあまり神経質に考えなくてもいいですよ、ということです。

油選びで大事なことは…

難しく考えなくてもいいのですが、「それならどんな油でもOK!」と極端な思考になっては体にマイナス…

ある程度、油の摂取、油選びで注意は必要です。

その一番の注意点は『飽和脂肪酸』。

ひつこいですが「飽和脂肪酸の過剰摂取」=「血流悪化、様々な病気リスク」…

飽和脂肪酸は動物油に多いですから肉料理などで摂ることも多くなりますし、

加工された植物油脂にも多いですから、いろんな加工食品に含まれています。

なので、これは意識的に避けるようにしたほうが良いです。

また、牛脂とか豚バラ肉などの脂も料理に加えるとすごく美味しくなるのですが、現代人はそういったものを外食で食べる機会も多くなっており、

普段から「飽和脂肪酸」は多く摂っている傾向がありますから避けるようにして下さい。

動物油から飽和脂肪酸を摂らなくても、植物油にも飽和脂肪酸は適度に含むのでそれで十分なのです。

要するに動物系の脂分を避け、植物系の油を摂るようにする。

植物油でも過剰摂取だけ避けていれば、油に神経質になる必要は無いです。

どんな油が良いのか?は、また別の油のテーマで詳しくお伝えしますが、

私の現在のおすすめ油は加熱料理には「米油」「オリーブ油(ピュア)」、サラダに直接かけたりドレッシングに使うのは、「アマニ油」「エゴマ油」が良いと思います。

油の正しい摂り方

自然健康・治癒学博士の松田先生は、出版されているどの書籍でも話していることがあります。

それは、『人間は本来、雑食動物ではなく「果食(かしょく)動物」である』と。

これもまた詳しくお伝えしますが、人間(原始人)は何万年もの間、木の実や果物を食べて生きてきたわけです。

現在、よく言われる「オメガ3を積極的に摂りましょう!」「DHA・EPAが重要!」など、

「油分だけを摂る」なんてことはしてなかった。

ですから、元来人間は、油をわざわざ摂らなくても問題ないのです。

ナッツなどの木の実にも多くの体に良い脂肪酸が含まれていますし、胡麻や亜麻仁(フラックスシード)でも加工して液体の油で摂るのではなく、「実のまま」食べるのがベスト。

油分を含む植物を食べることで十分足りるのです。

それが本来、人間のカラダに必要な【健康的な油の摂り方】であり、原点であると覚えておいて頂きたい。

私が油について一番伝えたいことはそこです。

で、ごくごくたまに「食を楽しむ」ために揚げ物を食べたり、コッテリラーメンを食べたりするのは、問題ないと思います。(今までそういった「油過多食」を続けていたなら避けて下さい)

我慢ばかりもストレスになりますからね。

DHA・EPAなどについては、また別の油テーマでお話しします。

今回はこの辺で終わりといたします。

今回のおすすめ酵素料理

★胡瓜のからし塩麹漬け

今回のレシピは「酵素」がたっぷり摂れて、簡単で奥深い味が楽しめる発酵食料理を伝授!

「胡瓜のからし塩麹漬け」です。

練りからしと甘みを加えた塩麹に胡瓜を浸け込むだけ…

ある「酵素」の効果でダイエット効果も期待できるので、おすすめの一品です!

今回の健康情報で話した「油」と関係深い、胡瓜特有のある酵素とは?
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